蛍光ピンクに思いを込めて

Like a Candy Paper Moon

謎家族~謙兄誕生日前夜~

「ねー!レターセットちょうだい!」
7月20日の夜。ノックもせずに私の部屋に入ってきてちょーだい!と手を伸ばすみゅーと。
『みゅーとも?もうみんなとっくの昔に貰いにきたよ?』
そう。明日は謙兄の誕生日。2週間前に慧ちゃんからお誕生日会やろう!って言われて、みんなそれぞれ当日までにお手紙を書くことを約束したのだ。
みゅ「あきらだって今書いてるじゃん」
書くの遅いよー誕生日会明日だよ?なんて言えばむっとした顔で机の上に書き途中で散らばるお手紙を読もうとするみゅーと。
『えっ、ちょっと!読まないでよ!』
とりあげるとなんだよケチ~なんて言って私のベットに転がってね~レターセットー!って。なんでもらう立場なのにこんなに偉そうなんだこの子は。
みゅ「わっかわいい!すげー!6色あるの?」
みゅーとも絶賛してくれてるこのレターセットは丁度1週間前に慧ちゃんと買いに行ったものだ。慧ちゃんがレターセットちょーだいって来たんだけどふざけたキャラクターものしか無くて二人で買いに行ったのだ。ふふふん、可愛いだろう!慧ちゃんが「これがいい、可愛いし」って選んだんだぞー!さすが慧ちゃんセンスあるぅ~!
『みゅーと赤ね』
わーいここで書こう~なんて言って私のペン立てを漁って、けんにいおたんじょうびおめでとう、なんて口に出しながらスラスラ書いていくみゅーと。私も書かなくちゃ。みんなももう書いたのかなぁ、何て書いてるんだろう。お手紙なんてあんまり書かないからなんだか緊張しちゃうなぁ(笑)明日何作ろうかな、大学お休みでよかった。

みゅ「ん~…できた!」
暫く真剣に書いていたみゅーと。私は先に書き終わって横でレポートやってたんだけど、やっと完成したみたいでできたー!やっとできたー!って煩い(笑)
みゅ「ねー!字間違ってないか読んで!」
って言って封をしていない状態の手紙を渡してきた…えっ読んでいいの? 普通読まれたくないんじゃないの?って思って返そうとしたけど、みゅーとをみると「読んで読んで~頑張ったの~」とでも言うような顔でにこにこして見てくる…まるでボールとってきたから褒めて~♡って顔をしてる犬のようだ。私犬好きじゃないけど。

謙にいへ
謙にいお誕生日おめでとう!23歳だね!
いつもいつも母さんの代わりをして朝起こしてくれたりご飯作ってくれたりしてありがとう。いつも俺が拗ねちゃったりして翔希とか照とかとケンカしたときに仲直りさせてくれてありがとう。謝らなきゃダメだよって謙にいに言われると、ムカついてたはずなのに謝らなきゃダメだなぁって思います。 謙にいはかっこいいです。いつでもみんなのことを一番に考えてくれてありがとう。たくさん頼ってばっかりでごめんね。俺もはやく謙にいみたいにしっかりした男になりたいです。まだまだ俺がポンコツじゃなくなるまで、俺たちの大好きな頼れる"23"(兄さん)でいてね!
美勇人より

私とは違うシュッとした綺麗な字で綴られたみゅーとのお手紙、なによ、可愛いじゃん。なんて思ってほっこりしてたら、2枚目に書かれていた7人の棒人間。
『なにこれwwww』
みゅ「可愛いでしょっ?」
これが俺で~、これが謙にいで~なんていちいち説明してくれるけど、こいつら背の高さ違うだけでみんな同じだよみゅーちゃん…

可愛くシールで飾って封をして、できた~!ってにこにこ。ありがと~って言いながらえへへって笑ってくるみゅーとを育てたのは謙兄みたいなところがあるから、ほんと良いお兄ちゃんだなって再確認する。
みゅ「は!俺慧ちゃんと明日何時に出るか決めてこないと!」
じゃーね!ってすたこらと部屋を出ていったみゅーと。けいちゃーん!なんて叫ぶ声とドタドタと階段を降りる音がする…ドアを閉めなさいドアを。

あー私も明日は朝から買い物だな!美味しいものつくらないとなー!

続く